ボトムアップで始まるコミュニティのための道具
ASIBA Creative Incubation 1期で展開したプロジェクト。「小さな読書会がコミュニティにどんな変化をもたらすか」という問いを軸に、「読み会」という場所の設計や、アプリの開発を行った。Ba&Coとの共創により、コワーキングオフィス「co-ba ebisu」への導入が実現した。 実証実験の中で、コミュニティの交流には「肩書きを知る」「価値観を知る」「課題やビジョンを共有する」の3段階があり、読み会は2段階目を自然に引き出せるという気づきを得た。

FIG.1
とあるコワーキングオフィスでは、コミュニティマネージャーが毎週のようにイベントの企画に奔走している。先週は交流会、今週はトークイベント、来週はボドゲナイト。トークイベントは集客目標が20人らしく、受付を通る全員に案内を配っている。
たしかにトークを主催する人からすると、観客は多ければ多いほど嬉しい。だが参加者からすると、実は4人しか来なかった会のほうが充実していることもある。多ければ多いほど自分の発言量は減り、自分の興味との重なりも離れていくから。
「コミュニティマネージャー」[*1]という概念には、この類の矛盾が常に潜在している。トップダウンの企画を「マネージする」ことによって、コミュニティ起点の主体性は後景化し、「マネージされた」利用者へと変質する 。

FIG.2 co-ba ebisu で「読み会」を開く
Youbeeは「読み会」[*2]というハードルの低い読書会を看板にしながらも、そのサービスの本質は、コミュニティを「マネージしない」ことでいかに活性化させるか、という問いにある。
そもそも自分ともう一人か二人さえいれば、最小単位の「集まり」は成立する。小さな集まりが重なり合いながら、あちこちで生まれるような状況になれば、それがどのような会員やメンバーシップの枠組みであるかに関わらず、その連なりを「コミュニティ」と言って差し支えないだろう。
そうやって広がりをもった集まりたちの輪郭が、事後的にコミュニティの輪郭を決めていく。ひとりひとりが主体性をもってその輪郭を描き出し続ける限りにおいて、コミュニティをマネージする必要はなく、むしろ一緒に一部を描いてみるくらいがちょうどいいのかもしれない。Youbeeはそんな「集まり方」を裏から支える道具として、公開範囲の限定、3分日程調整[*3] 、場所の予約など、地味だが不可欠な最低限の機能だけを実装した。

FIG.3 コミュニティの輪郭

FIG.4 Youbee 「読み会」で小さな集まりをもっと身近に
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