解体現場を起点に、建材リユースの産業化を問う
「廃棄するより高い」。それが現在の解体材リユースを阻む、最も素直な理由だ。 ダイアグラムとシステムマップだけでは、モノは動かない。清水建設・ASIBA・ReLinkの三者が2025年9月に立ち上げたこの実証プロジェクトは、その構造的な障壁を現場から解きほぐすことから始まった。吉祥寺の解体現場でOAフロア材を実際に回収し、支柱の接着、運搬、品質評価という個別の障壁を一つずつ確かめた。「解体材リユースのアクチュアリティ」と題した3回のレクチャーシリーズでは、建材メーカーや産廃業者を交え、現場レベルで起きていることを共有する場をつくった。

FIG.1
1-アサイン・サポート・プロデュース|2-協働|3-専門/アカデミック観点
DIAGRAM
1.アサイン・サポート・プロデュース
2.協働
3.専門/アカデミック観点
建設領域にいると「リユースは難しい」という言葉が念仏のように繰り返され、そういうもんだと刷り込まされてきた。たしかに、できない理由はたくさん思いつく。性能保証ができないから新築の構造要件を満たさない[*1]。カタログがつくれないから事前に設計に組み込めない[*2]。手作業で解体をして運搬をするよりも、重機で壊して新品を買うほうが安い[*3]。日本人は新しいものが好き[*4]、などなど。だがそのようなありきたりな言い訳を越えて広く業界を見渡すと、実はすでにリユースを実現している事業者が多数存在する。そのような隠れた地道な取り組みに光を当て、どのようにその手本から学ぶことができるかを模索した。
例えば、特定のOAフロアやタイルカーペットなどは、解体や改修の現場から手作業で回収し、場合によっては洗浄した上で再販売する、という事業を成立させている。しかも再販価格は新品価格の5-7割と手頃で、リユースだから高い、という一般論は存在しない。あるいは厨房機器の買取再販を行う事業者は、全国に12箇所の修理再生工場を持ち、自社で修理をしている上に、倉庫内のほとんどの在庫はわずか2ヶ月で捌けて新陳代謝している。
もちろん、各社それぞれの不断の努力によりこの仕組みが成り立っていることは間違いない。だが同時に、工夫次第でリユースは可能になりえる、という明確な宣言でもある。むしろ、多くのサーキュラー担当者が掲げる制度設計や大上段の意識改革は、このようなアクチュアリティを伴った独自の実践なしには、現実を引っ張っていく力になりえないのではないだろうか。

FIG.2 解体されるOAフロア材

FIG.3 剥がされた床の下から現れたアジャスター束

FIG.4 壁と通り芯

FIG.5 ディスカッション「解体材のアクチュアリティ」
CREDIT
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